セレンディピティに出逢う為に

毎日の話

これは、私がまだ大学で、研究室に通っていた時の話です。研究室での研究は、毎日ひたすらデータと向き合い、なかなか成果の出ない状況が何カ月も続くのが当たり前の世界でした。気を抜くとすぐにサボりたくなったり、諦めてしまいそうになったりします。そんな私を見かねて、教授が教えてくれた言葉があります。それは「君の姿勢ではセレンディピティとは出逢えない」という言葉でした。当時の私は教授の話す意味が分からなかったのですが、「セレンディピティ」という言葉は科学者の間ではよく使われる言葉で、日本語に訳すのは難しいのですが、「思わぬ発展に繋がる偶然」とでも訳せるのでしょうか。つまり、科学の研究をしていると、ある時ふと偶然的に研究が進むような発見や、機会と出逢い、飛躍的に研究が進む時「セレンディピティに出逢う」という風に使っているそうです。語源は「セレンディップの3人の王子」という童話から来たそうですが、大切なことは「セレンディピティ」に出逢うためには日頃からその研究にいそしみ、解決の糸口を探す努力をし続け、たゆまぬ努力をしている人のみ「セレンディピティ」は訪れるということです。だからこそ、研究室での私の姿勢を見た教授が、そのままの君の姿勢では「セレンディピティ」のチャンスを逃す、もしくは訪れないということを伝えるためにおっしゃってくれていたのです。

この話は、なにも科学の中の話だけではなく、日常生活、もしくは人生でも同じではないかと思うのです。例えば、今の状況なので、部活動の取り組み、何か自分が大切にしているものに関して、なかなか思うように行かない日々が続いているはずです。そんな時にふとモチベーションが下がってしまう瞬間が必ずあるはずです。そんな時に是非思い出してほしい事がこの「セレンディピティ」の話です。さらに「セレンディピティ」が訪れる条件というのが、常にそれに関して情熱をもち取り組み続けることです。だからこそ、この状況下でも情熱の火を消すことなく、燃やし続けることを大切にしていって欲しいと思います。いつかこの状況も改善する時が来るはずです。歴史上に止まない雨がなかったのと同じように、コロナの夜明けは必ずやってきます。そのときに「セレンディピティ」のチャンスをつかめる人になってほしいと思います