私自身は若い頃から「増やすこと」を目指して生きてきたような気がします。どういうことかというと、「もっとお金を稼ぎたい」「もっと大きな家に住んで」「もっといい車に乗って」「もっといいデジタルガジェットを駆使して」などです。つまり、もっと頑張って、もっと働いて、もっと買ってという感じです。そうすると、生活は日に日に忙しくなっていきます。しかし、そんな生活をしていると、いつか限界が来ます。なぜなら1日は24時間しかありませんし、体も1つしかありません。その次に何を考えるかというと「1日にもっと詰め込むためには・・・」とか「もっと時間管理をして能率を上げて」などと考えるようになります。しかし、私自身はその結果が成果と結びついていたかというと、必ずしもそうではなかったのです。つまり「増やすこと」を追求しても最高の結果が得られない事を経験しました。そこで私が学んだことは「量と質」は比例しないということです。これは考えれば当たり前のことです。例えば、何も考えずに筋トレを長時間行ったとしても、自分が増強したい筋肉が増大することはないのです。むしろオーバーワークで怪我をすることもあります。他にも、例えば習字を何も意識せずに、ただひたすら書き続けても一生うまくなりません。スポーツも集中してそのプレーを上達させるために意識的にトレーニングをしないと、そのプレーが上達することはありません。とても当たり前のことですが、生きていると、どうしても生活の中に詰め込みすぎてしまうことが往々にしてあります。だからこそ大切なことは、一つの事に集中すること。あれもこれもではなく目の前にあるもの、自分に今、与えられていることに、一点集中して取り組むことが大切なのではないかと思います。あれもこれも悩んでしまう時は、優先順位を決めて、できる限りそぎ落としていく、そんな努力もこれからの社会では必要なことではないかと思っています。
これは学習面でも応用できるのではないかと思います。例えばテスト前、手に負えないような課題を前にした時や、1年間のまとめをしようとワークを開いた瞬間など、あれもこれも目について集中できない経験をしたことがあると思います。そんな時ほど余計なことを考えずに、目の前の内容だけに集中した方が理解度も定着率も上がるのではないかと思います。今後学年が上がれば上がるほど、学習の量は増えていきます。そんな時にアップアップになるのではなく、質にこだわって学習に取り組んでいって欲しいと思います。参考に!