かみ砕く

毎日の話

普段私が授業を行う際に意識しているのは、「いかに良い質問ができるか」です。どういうことかというと「どんな発問を、どんなタイミングで、どの程度」行うかを意識しています。特に数学の難問になってくると、解に行きつくまでのプロセスはかなり長いものになります。しかし、その道筋さえ見えれば、誰でもレールの上は歩けるのです。大切なのは、どこにレールがあって、そのレールが見えるようになるためには何が大切なのか、何に気づかなくてはいけないのかということです。それをみんなに気づいてもらうために授業者である私がどのような「質問」をするかが大切になってきます。難しい「質問」を難しく伝えるのは誰でもできます。難しい「質問」を噛み砕いて、どのように伝えればいいのかに細心の注意を払います。そして、その「質問」の連続の先にレールがあり、ゴール(解)があります。この「質問」を意識することは人間関係上でも大切なことではないかと思っています。例えば初めて出会う人とのコミュニケーションを考えてみましょう。どうしても人は自分のことを長々と話してしまいがちですが、大切なのは相手の話を聞くことではないかと思っています。相手も自分の話を聞いてくれる人を信用するのではないでしょうか。さらに、自分に興味があれば自分のことも聞いてくれると思っています。そんな時に適切な「質問」ができる人はコミュニケーション力が高いように感じます。しかし、その「質問」をするためには事前の準備が大切です。相手は一体どのような人なのか。何に興味を持っているのか。また、話の内容を「質問」するためには、よく話を聞かなくてはなりません。つまり、人とのコミュニケーションの際にもこの「質問力」は大きな影響力を持っているということです。みんなに近い話でいうと受検での面接でも活かせます。いやいや面接は質問される側ではないかと思う人もいるかもしれませんが、「質問力」を鍛えている人は、どんな「質問」をされるのか、またされたときにどのように対応すればいいのかがわかってきます。そうすると面接もスムーズに対応できるようになるのではないでしょうか。

高校に入学すると今までになかったような、自分のことを知らない人たちとのコミュニケーションが増えてくると思います。さらに社会に出れば、初めて会った人と、その日から仕事をバリバリやらなくてはならないケースも数えきれないほどあるはずです。さらにビデオ会議上でのコミュニケーションになれば、なおさら難しくなってきます。だからこそ、日頃から、できれば10代のうちから意識的に「質問力」を高めいくことをお勧めします。是非参考に!